星のカービィスターアライズ 感想と考察とディスカバリーの販促
年末年始、久しぶりにガッツリとゲームしようと思い、
積んでいたカービィをやることにした。
結論から言うとファン的にはかなり良いゲームだった。
メインストーリー
メインストーリーはかなり易しく、普通にプレイしていても5~7時間で全部クリアできてしまった。回収要素も難しいものはほとんどなくいつものカービィ。
SDXのように敵モブを味方のように連れまわせるフレンズ機能が今作の特徴で、「スぺシェルフレンズ」として過去登場したメインキャラたちを連れて冒険できる。
アナザーディメンジョンヒーローズなどでドノツラフレンズたちもプレイでき、ファン的には楽しい要素だった。マホロアがウルトラソードでぶった切ってるだけで笑える。
星の○○○○・アナザーディメンジョンヒーローズ
モブやスぺシェルフレンズも操作できる「○○でGO!」シリーズとも言える星の○○○○。キャラ選択によってタイトルとサブタイトルも変わるのが面白い。
アナザー~はカービィ以外のキャラも使いながら進めていく本編の続きとも言えるモードで、少し昔の難易度を思い出すくらい。ボスは強いが個人的に本編もこれくらいの難しさで良いんじゃないかと思った。
THE・アルティメットチョイス
難易度が選択できるようになった格闘王への道。今作はフレンズを連れていけるため敵が強い。
特に魂が飛び出る辛さEXははっきり言って過去作のボスラッシュを束にしても勝てないくらい強く、ほとんど別ゲーと言っても過言ではない。
「いつもと違って仲間も攻撃してくれるんだから頑張って避けるのに集中してよ」と言わんばかりに画面を埋め尽くす攻撃を矢継ぎ早に繰り出してくるのでしんどかった。
でもフレンズも負けないレベルで存在が強いのでバランスとしては良かったと思う。むしろかなり歯応えあってかなり楽しめた。
全体として
正直アクションゲームとしては「いつもの熊崎カービィ」というのが本当のところ。
良くも悪くも。
ただいつも以上にファンサービス旺盛で、過去シリーズを知っていればニッコリできるような演出が多く、その点は楽しかった。逆に知らんとぽかんとしそうなところではある。
ゲームの内容としてはそんな感じなのだが、恒例のスペシャルページで考えさせる部分も多く、考察の捗り具合も過去一番だったかもしれない。
・考察
ニルについて
ラストボスを務めるニルは今まで以上に重要な存在として描かれていた。
今作で登場するニルはハイネスの闇の力によって生まれ、多くのダークマター族を思い起こさせる特徴を持っている。
気付いただけでも
①ニル最終形態のこの表情は「64」のゼロツー戦開幕の演出
②最終形態後半の単眼状態はどうみてもリアルダークマター
③第三形態で繰り出す極太レーザーの際に創出する金の王冠の像は「wii」で登場したマスタークラウンに瓜二つ
④星誕ニルのカットイン背景は「3」のボスプッチでゼロと戦闘するステージにそっくり
など上げればキリがない。ダークマインドが使う鏡に向かって光線を反射させる技なども使うし。
ニルの正体については、個人的には「カービィとダークマター族(=ゼロ)は同じ存在(=ニル)から生まれている説」が有力かなと思った。
仮にハイネスの知識を反映しているとしてもマスタークラウンやディメンジョンミラー、ギャラクティックノヴァについてまでハイネスが知り尽くしているようには見えないことを考えると、ニルがダークマター族の祖である可能性は高いように見える。(SPでも以下のような説明がある。闇のエネルギーを得るとダークマターに、光のエネルギーでカービィになる?)
またグーイがカービィと同じコピー能力を持っていることにも説明がつく。もしかしたらグーイは「半カービィ半ダークマター」のような存在なのかもしれない。
またカービィが無関係でないと考える理由の一つに、ニル最終形態戦BGM「組曲:星羅行く旅人 最終楽章:煌めき星」がある。主旋律がピアノの壮大で悲壮感漂う曲だが、終盤に差し掛かるにつれGB音源が混ざり始め、最後は初代グリーングリーンズが流れて〆…という流れになっている。
「いずれはカービィになるもの」を暗示しているような…考えすぎだろうか。
ニルと世界線
星誕ニル勝利時、ニルは虹色の星をまき散らしながら、カービィに似た笑顔でほほ笑みながら光の中に消えていく。
SPも悲壮感に溢れたものではなく、希望の未来を暗示させるような内容となっている。また本編及びイラストギャラリーを見る限り、ハイネスや三魔官シスターズも救われているような描写があり、今作は珍しくハッピーエンドと言える結末なのでは?
だがもし、カービィが破神ニルを止められなかったら?
ニルが「カービィのようなもの」だとすると、闇の力を得たニルが世界を滅ぼす…ことも考えられるかもしれない。カービィは世界を何度も救っているわけだし。
「ゼルダの伝説」シリーズのように「ニルを救えた/救えなかった」で世界線が分岐する可能性もあるのでは?と思った。(同作に別次元に存在するハルカンドラやアナザーディメンジョンがあるので世界線の分岐自体は起こらないとは言えない)
それに最新作「ディスカバリー」の舞台はどう見ても荒廃した世界である。
さよならカービィ
今作の収集要素、イラストピースを回収すると解放できるイラストギャラリー、その最後に解放されたのがこの一枚。
え?終わるんか?今年新作出るけど…。
これについてはカービィがポップスターを離れ新たな世界に旅立つ様子なのでは?と思った。
最新作「ディスカバリー」は明らかにポップスターではない荒廃した都市を舞台としており、公式Twitterも「新世界」であることを強調している。
それに初報PVではどこからかカービィが漂着しているような描写から始まっている。
『星のカービィ ディスカバリー』の舞台は、文明と自然がまざり合う、未知なる世界のようです!
— 星のカービィ (@Kirby_JP) 2021年9月23日
ポップスターとは違う、なんだか不思議な雰囲気が漂っています…!
カービィさーんっ!いったいどちらに行ってしまったんですかーっ!?#星のカービィディスカバリー pic.twitter.com/istW3CEWSH
シリーズ初の3Dアクションでもあるこの作品が出ることを考えると、「いったん今までの方針での2Dカービィとはさよなら」というメッセージにも感じる。
おわりに
全体を通して始まりと終わり・過去と未来を感じさせる、「星のカービィ」として一区切りつけたかったかのような、そんなゲームだった。
内容もとても満足できたし、何より最新作「ディスカバリー」への期待もめちゃくちゃにぶちあがったので、今やって良かったなと心から思う。
おわり